ARTMは、「情報を管理するシステム」を作るプロジェクトではありません。「組織が持つ知識を、世代を超えて運営できる仕組み」を作るプロジェクトです。
ARTMは、一般的なファイル管理システムとは少し異なる考え方で設計されています。
多くのシステムでは、「どこへ保存するか」「誰が操作できるか」といった機能が中心になります。
しかし、実際の組織運営では、それ以上に重要な課題があります。
担当者が異動したとき。
部署名が変更されたとき。
サーバーやシステムを入れ替えたとき。
こうした変化のたびに、情報の所在が分からなくなったり、管理者が不明になったり、知識が失われたりすることは少なくありません。
ARTMは、そのような課題を解決するために生まれました。
ARTMが管理したいのは、「ファイル」ではありません。
組織が持つ知識や成果物、そして、それらを未来へ引き継ぐための情報資産です。
そのため、ARTMでは、
- 人ではなく「役割」を管理する
- 保存場所ではなく「論理構造」を管理する
- ファイルではなく「情報資産」を管理する
- 権限よりも「責任」を重視する
という設計思想を採用しています。
一見すると遠回りに見えるかもしれません。
しかし、この考え方によって、担当者の交代や組織変更があっても、情報資産を継続して管理し、育てていくことができます。
本書は、ARTMの操作方法を説明するためのマニュアルではありません。
ARTMを運営する人たちが、「なぜこのような仕組みになっているのか」を理解し、同じ考え方で情報資産を育てていくための運営ガイドです。
画面の使い方だけでは伝わらない、ARTMの設計思想や運営哲学を共有することを目的としています。
この考え方に共感していただければ、ARTMの各機能も、それぞれが必要な理由を自然に理解できるはずです。
この記事はARTM Control Towerの設計・運営記録の一部です。
ARTMは現在も継続的に設計・改善を進めています。
本記事の内容は、その時点での設計方針を記録したものです。
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